歴史とともに歩む六本松1丁目の長屋
六本松1丁目の細い路地に面した築年不詳の木造長屋住宅。
建築当時からこれまでの長い間、住宅としての役割を果たしてきました。
住宅密集地にあり両隣は戸建住宅と住居アパート、その近隣も住居エリアながら、地下鉄六本松駅から徒歩4分。交通利便性の高い立地に位置します。
六本松は、かつて九州大学があったまち。九大生向けのアパートや銭湯、商店街などがあり、多くの人で賑わいを見せていました。九州大学移転後、2016年頃より再開発が行われ、大型商業施設「六本松421」の開業など、多様な人が訪れるまちとなりました。
その中でも六本松1丁目は再開発エリアと比較して昔ながらの戸建てや木造アパートのまちなみがそのまま残っているエリアです。近年では元住宅を活用した個性的な店舗が増えているのが大きな特徴です。
歴史、ひと、まちをつなぐ。住まいから複合テナント戸建へ。
時代とともに大きく変化する六本松のまちを見守り続けるこの建物。今後の長期的な活用を見据え、3つのテナントが入居する複合テナント戸建てへと生まれ変わることとなりました。(3つの区画の詳細>>>)
プロジェクトのコンセプトは、つなぐ、育む。
一番大切なのは、近隣のひとたちと建物の変わらない関係性、つながり。
それはまちの歴史であり、まちに根差すこの建物が育んできた文化そのものです。
そしてこれからは、入居テナントさんとまち、またテナントさん同士がゆるやかにつながることで、新しい文化が育まれていってほしいという想いが込められています。
リノベーション工事前
リノベーション完成
リノベーションについて
全体的に木造長屋特有の要素と雰囲気を残しながら、一部異素材を挿入することで、それらが互いに引き立て合う空間を目指します。
建物の奥にあった階段を撤去し、手前に鋼製の階段を新設。吹き抜けをつくることで、1階に光が差し込み、かつ動線もより良くなりました。
また、壁や床は作りこまない仕上げとしています。入居されるテナントさんの個性を出しやすく、入居時の改装費の負担をできるだけ抑えられたらと思います。
日常の営みの中で育まれる、ひととまちの文化。「cobaco 六本松」
建物のオーナーさんは、福岡県朝倉市で「gallery cobaco」(ギャラリーコバコ)を営なまれています。築95年の古民家と、スクエアのモダンな空間からなるギャラリー・ショップで、「アートとの出会いを通して、人とモノ、人と人がつながっていく場、そして地域の中で古いものと新しいものが調和する場」をコンセプトにされています。
六本松のまちと「gallery cobaco」から着想を得て、複合テナント戸建の名称は「cobaco 六本松」となりました。
まちの営みに合わせて、ここにしかないつながりを生み、文化を育んでいく。
「cobaco 六本松」は日常の中でそんな存在になれるよう、入居者さんと一緒に歩んでいきます。
cobaco 六本松概要
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 〒810-0044 福岡県福岡市中央区六本松1-6-10 |
交通 | 福岡市地下鉄七隈線「六本松駅」2番出口より徒歩4分 |
構造 | 木造2階建て |
築造年月 | 不詳 |