都心にほど近い、水辺の自然環境豊かなエリア「香住ケ丘」
博多湾に面する自然豊かなエリア「香住ケ丘」。
香椎海岸遊歩道から「あいたか橋」を通って、アイランドシティの外周緑地、香椎浜北公園までをぐるっと周遊するコースは、子供から大人まで多くの人が利用する憩いの道となっています。
水辺の自然が豊かにありながら、福岡市中心部天神までは電車を利用して約30分ほど。
近隣には生活に必要なお店が揃い、自然環境と生活利便性が共存するエリアです。
香住ケ丘6丁目
戸建ての在り方の再構築を試みる
1975年に建てられたRC造の一戸建て。
先代より建物を引き継がれたオーナーさんより今後の長期的活用のご相談をいただいたことから、このプロジェクトはスタート。
ご相談時には築年数相応に傷みがみられたため、今回は外壁も含めた建物全体のリノベーションを行いました。
一方で、もともとこの建物にしかない魅力が多く備わっている建物でもありました。
一戸建てとしては貴重なRC造の建物で、部屋数が多く、庭も広い、そして2階バルコニーはゆったりした設計。
また、道路からは2つの出入口が設定されているなど、
その活かし方によって、建物全体の価値を高めていくことができる要素を持っている物件でした。
今回のプロジェクトでは、既に備わっているこの魅力を引き立てることを意識しています。
「整えること」と「可変性」。
整えたのは、外観の印象、2階のバルコニーそして広い庭。
特別なにかを加えるのではなく整えることで、外観はRC造の力強さと爽やかな印象に変わり、バルコニーと庭では、バーベキュー、家庭菜園、アウトドアリビング、室内ではしづらいDIY作業の場所など、入居者さんのライフスタイルに柔軟に対応できる場所になっています。
玄関へのアプローチ
2階バルコニー
1階お庭
お庭へのアプローチ
そして1階の和室2室をつなげ1つの空間へ変更することで「可変性」を付加しました。
価値観が多様化するこれからの暮らし方を想定し、使い手に合わせた建物の使いこなし方ができるよう、間取りを変更。
これにより、お庭と1階のゆったりとした室内空間が一体として捉えやすくなり、より自由な発想で敷地と建物を組み合わせて使うことができるように。
また、2階和室の壁面を既存のままの仕上げとし、入居者さんによるDIY可能な範囲を設定しました。
一戸建てとしての「住む」機能だけでなく、趣味をより深める場や仕事場として利用するなど、いろんな使い方の可能性を持つ空間となりました。
1階ワークスペース(2室をつなげて1つの空間へ)
キッチン(入居者さんの使い方に柔軟に対応できるシンプルな仕様へ)
2階和室(壁面のみ既存のままとし、DIY可の仕上げに)
工業的なパーツを付加
パズルのピースと幸せのかたち
住む機能だけではない、戸建ての在り方の再構築を試み生まれ変わった建物「ピースハウス6号」。
もともと持っていた建物の魅力と新たに加えた魅力、そしてまちの特徴。今後ますます変化していく社会のなかで、それらの要素(ピース)を掛け合わせながら使い手が自由にカスタムする。
まるでパズルのピースを組み合わせて絵を完成させるように、各要素を組み合わせ入居者さんオリジナルのライフスタイルを楽しんでいただければ。そしてそれは幸せなものであってほしい。
そんな想いから、建物の新しい名前が決まりました。
土地にやわらかく根差した、建物と人との関係性がつくられていくと良いなと思います。
香住ケ丘6丁目、この建物で過ごす日々が、ピースフルなものでありますように。
ピースハウス6号概要
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 〒813-0003 福岡県福岡市東区香住ケ丘6丁目 |
交通 | 西鉄貝塚線「香椎花園前駅」徒歩3分 |
構造 | RC造2階建て |
築造年月 | 昭和50年(1975年) |